子宮筋腫について

子宮筋腫とは

子宮の壁にある筋層(筋肉)にできる良性のこぶのことです。 筋腫の核は生まれた時から誰にでもありますが遺伝や体質などの素因が加わると卵胞ホルモンの影響を受けて発育します。 その為、女性ホルモンの分泌が盛んな性成熟期の女性に多く見られます。 良性とはいえ不安は募りますし症状が進めば、子宮を取るか取らないかの選択も迫られることもあります。 女性にとって一生のライフスタイルに深く関わる病気なのできちんと知っておきたいものです 。

筋腫の種類

●内側にできる筋腫・・・粘膜下筋腫
●外側にできる筋腫・・・漿膜下筋腫
●筋層内にできる筋腫・・筋層内筋腫

筋腫がある際に現れる症状

●経血量が多い
●月経の日数が長い
●月経の際、塊が出る
●生理痛がひどい
●頻尿
●便秘
●腰痛

粘膜下筋腫

ごく小さいうちは、不正出血や生理期間が長くなるのが主な症状ですが、大きくなると経血量が多くなり激しい痛み・貧血を伴います。 子宮の内膜にできるので内膜が凸凹になったり、表面が滑らかではなくなったりするため受精卵が着床しにくく、着床しても流産しやすくなり不妊の原因にもなることがあります。

漿膜下筋腫

生理を起こす内膜に直接影響がないので過多月経などの筋腫特有の症状はあまり見られないのが特徴です。その為、かなり大きくなるまで気づかないことが多くあります。ただし、10cm以上のものになると自分でお腹のしこりに触れ、下腹部の張りや周りの臓器が圧迫され頻尿・腰痛などの症状が出てきます。 筋腫の数が多くない限り、内膜や子宮の内膣には、影響がないので不妊にはなりません。ですが、筋腫が卵管を圧迫することで不妊の原因となることがあります。

筋層内筋腫

大きくなると過多月経などの症状があります。 筋層が肉厚になるため生理の時に子宮の収縮がしにくくなり、血管がうまく閉まらないので経血量が多くなりますし、生理痛も伴います。 筋腫があると内膜が平らでなくなるため受精卵が着床しにくく、不妊の原因になることがあります。 しかし、子宮筋腫があっても妊娠・出産は可能です。

通常の不妊率が10%であるのに対して子宮筋腫がある人の場合は25%~30%とも言われていますから確かに筋腫があると妊娠しづらいことはあるようです。 でも、たとえ子宮筋腫であっても、それ自体が命に関わることはないため、どんな人にも必ずしも治療が必要なわけではありません。 定期的に受診しながら経過を見たり薬で症状を軽くして、筋腫を小さくすることもあります。症状が改善できず日常生活が辛い場合に手術による対処も考えられます。 医師の説明をよく聞いて自分の筋腫の状態を把握し治療を選びましょう。 長い人生を見通して相談にのってもらえるように医師との信頼関係を築くことも大切です。

子宮筋腫と不妊

子宮筋腫は大きさ位置によって、様々な症状が出現します。 不妊症との関係では、一番に卵管の通過性が問題になります。次に子宮内膜に影響を及ぼし着床不全の原因になる可能性があります。 一般的には治療が必要ない場合でも、不妊症の患者さんでは手術や偽閉経療法などの治療が必要になる場合もありますので、担当医の先生とよく相談が必要と思います。