受精について

当院では採卵の翌日に卵子が受精をしているかどうかの観察を行います。
受精には正常受精と異常受精があり、今回のプチ講座ではこの二つについて説明します。

正常受精(2PN胚)とは

正常受精とは、採卵翌日に核が二つ見えている状態のことをいいます。
この二つの核は前核(PN)と呼ばれ、一つは精子由来の核で、もう一つは卵子由来の核です。

異常受精とは

異常受精には大きく分けて、①前核が一つ見える場合と、②前核が三つ見える場合があります。

①前核が一つ見える場合(1PN胚)

通常二つ見えるはずの前核が一つしか見えない胚を1PN胚と呼びます。
なぜ1PN胚が形成されるのでしょうか?その原因はいくつかあります。

一つ目は、精子由来の核と卵子由来の核のどちらかしか見えていない場合です。

これは単為発生と呼ばれ、正常な受精が起こっていない状態です。

二つ目は、二つあった前核がくっついて、一つになってしまった場合です。

これは正常な受精が起こったものの、前核が融合するタイミングが早かった状態であり、異常ではありません。

三つ目は、前核が消失するタイミングがずれていて、観察時に一つしか見えていない場合です。

これも正常な受精と考えられます。

このように1PN胚になる原因はいくつかあります。二つ目と三つ目の原因のように正常な受精が起こっていれば問題ありませんが、何が原因かは見た目で判断することが出来ません。

1PN胚でも胚盤胞になれば正常受精の可能性が高いとされているため、当院では必要に応じて治療に用います。

②前核が三つ見える場合(3PN胚)

核が三つ見える胚を3PN胚と呼びます。3PN胚になってしまう原因もいくつかあります。

一つ目は、精子が二つ同時に入ってしまう場合です。精子が二つはいると、精子由来の核が二つできてしまうため、3PN胚になります。

二つ目は卵子側の問題です。卵子由来の核が二つできてしまうため、3PN胚になってしまいます。

1PN胚でも胚盤胞になれば正常受精の可能性が高いとされているため、当院では必要に応じて治療に用います。

3PN胚は染色体に異常がある可能性が高いため、移植対象の胚にはせず培養を中止しています。