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不妊治療の前に

不妊治療の前に知ってほしいこと

通常の月経周期

月経周期は、脳の下垂体によって制御されています。下垂体は、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)という2種類のホルモンを放出しています。両ホルモンとも女性の卵巣や男性の精巣の性腺を刺激し、増進させることから、性腺刺激ホルモンとも呼ばれています。

 卵胞刺激ホルモンは主に月経周期の最初の約2週間に放出され、卵胞と呼ばれる保護嚢に包まれている卵子(または卵母細胞)の成長と発達を促します。

通常、卵巣には約200万個の卵子が存在し、その内の1つの卵子が卵胞刺激ホルモンの刺激を受けながら成熟します。個々の卵子はそれぞれ卵胞(嚢)にあり、卵胞はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンを作ります。エストロゲンは子宮内膜を増殖させます。月経周期の半分を過ぎるころから、下垂体からの黄体化ホルモン分泌が急激に増えてきます。この黄体化ホルモンの急上昇が成熟卵胞を破裂させ、卵子が卵巣から出てきます。これが排卵です。

 排卵の後は、残りの卵胞がもう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンを分泌する黄体を形成します。プロゲステロンは胚の着床に向けて子宮内膜を準備します。また、プロゲステロンは基礎体温を0.3度上昇させます。

 体温の上昇は通常、排卵後1~2日目に起こり、次の月経まで高い状態を維持します。基礎体温を毎日測ることによって、女性が毎月卵子を排出しているかどうか、つまり排卵しているかが分かります。通常、卵子の成長は毎月一方の卵巣で起こります。月経周期開始から約14日後、卵子が排卵によって卵巣から放出されます。これは下垂体からの黄体化ホルモンの急増により起こり、また黄体化ホルモンの急増はプロゲステロンを増加させ、体温を上昇させます。この体温上昇によって、いつ排卵が起きたのかを知ることができます。

 ただし、黄体化ホルモンの上昇が必ずしも排卵を意味しないことを覚えておいてください。

正常月経の周期的変化

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妊娠成立のプロセス

 
 排卵後、卵子は卵管の先端部(卵管采)に取り込まれ、繊毛の動きによって次第に子宮に向かって卵管内を進んでいきます。卵子は、排卵後およそ
24時間まで受精可能です。

 一方、精子は女性の体内で4872時間生存できます。つまり、受精の理想的な時間は排卵の23日前から排卵日までということになります。通常、排卵のはっきりした時間が分からないので、月経周期の916日間の間に定期的に性行為を行うと妊娠しやすいと考えられています。

 卵管采によって卵子は卵管内に取り込まれ、卵管膨大部で精子と出会います。夫婦生活(性交)により、膣内に射精された精子は、頚管粘液の中を昇ることができ子宮腔に入ります。さらに卵管を進み、卵管膨大部で卵子と出会います。

 1億以上の精子が膣内に射精されても、頚管粘液の中を昇ることができ子宮腔内に入るのは精子の1000分の1、つまり10万匹で、さらに卵管内を進み卵管膨大部に達する精子は、100匹と言われています。その後全ての過程がうまくいくと1匹の精子が卵子の膜を貫通し、母親と父親の遺伝子が結合します。精子と卵子の結合は「受精」と呼ばれ、新しい命の始まりを意味します。

 受精卵は子宮に向かう途中で数回分割し、この段階から「胚」と呼ばれるようになります。そして4日~5日に胚は子宮に到着し、胚盤胞にまで成育し内膜に着床して妊娠が成立します。

 受精が起こらない場合や胚が子宮内膜に着床しない場合、次第に黄体は小さくなり、プロゲステロンが作られなくなって子宮内膜は月経として脱落していきます。そして月経の始まりとともに基礎体温は再び低下します。

卵子の受精と、その結果生じた胚の着床

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妊娠は、「射精」⇒「精子の頸管内への侵入」⇒「子宮腔から卵管内への遡上」⇒「卵胞の成熟」⇒「タイミングの良い排卵」⇒「卵管采による卵の捕捉」⇒「卵管膨大部での受精」⇒「胚の形成と移送」⇒「子宮内膜への着床」⇒「妊娠」、という何段階ものステップが全て上手くいった時に成立します。


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